ブックタイトル20140627-0623デジタル保存版

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概要

20140627-0623デジタル保存版

フルーツはエロティックで危険爽やかだけでなく魅惑の表現で1732フルーツは悪いイメージを持つ人がまずいない。今回はその別の側面の有用性を考察した。瑞々しいフルーツと魅惑の果実、どちらがお好き?桃娘(トウニャン)をご存知だろうか。特殊な娼婦である。桃のみの食事で育てられ、体臭や汗は甘い香りがする。世の金持ちは、尿までも回春の秘薬とし、愛飲するそうだ。桃娘の初体験は人生最後の性交渉となる。偏食で育つため虚弱で、その激しさに耐えきれず、一晩で命を落とす儚い運命…。以上は中国の都市伝説ないし誰かの創作らしい。しかし、纏足(てんそく)という奇習もある文化を考えると、まことしやかに聞こえるから不思議である。1のメインは女性のふくよかな臀部だ。よく桃にも例えられる。また、例えば真っ赤なルージュの唇が噛む、いちごから滴る果汁といえば、どこかエロティックな印象を与えるだろう。さらに男性が危険を感じ、叶わぬ恋自体を「禁断の果実」と称される。そして果物(果実)は案外、身体に良くない。カロリーが高く消化に優しい。だから摂食過多になる。糖尿病リスクも無視できない。一般的に果物、フルーツというだけで、●瑞々しく健康的●明るく楽しいという印象で、さらに若く明るい健康的な女性も想起させる。ホールの広告・告知では健全性と軽快感を訴える2のように強調されることが多い。低貸しコーナーの案内によく見られる。さらに、ある果実の名前をそのまま冠した低貸し専門店もある。優しく、明るく、楽しくと強調するには非常に相応しい。その手法は一般の広告でもよく適用される。例えば、色鮮やかなフルーツが水飛沫とともにスローモーションで宙を舞うイメージは、誰しもそれに近しい映像を見た記憶があるのでは。演出された爽快感で五感すら刺激される感覚もある。一方で、妖艶な大人の女性は熟した果実によく例えられる。●原色よりやや濃く妖しい色調(被服や化粧)●艶を纏った果実のような肌の表面●甘酸っぱい濃厚な芳香(若い女性には似合わないフレグランス)今稿はあえて、このニュアンスを推したい。萌え文化が成熟のなか、青い果実のロリータ嗜好が蔓延している雰囲気もある。単純に差別化となるだろう。なにより熟した果実は、新鮮なイメージと裏腹、●魅惑●幻惑●誘惑というニュアンスだ。甘く美味しい果実は身体に良くない刺激となり、性的な欲情もよくイメージさせる。爽やかな印象と強い刺激描き分けることが求められるさて、パチスロ機の原型はカジノのスロットマシンである。そのリールには古くから「フルーツシンボル」の図柄が描かれていた。もし貴殿がデザイナーなら、フルーツの新鮮な感覚と、破滅すら匂わせる刺激的なイメージ。どちらの想いを込め描かれるだろうか。答えを聞くまでもないかもしれない。事実リールには淡い色調より鮮烈に描かれているものを、よく目にされるはずだ。一般的に果実はポジティブに描かれることが多い。だがそれはあくまで表層のイメージ。射倖性が伴う欲求は心の底で破滅的で甘美な刺激を求めがちである。フルーツの清廉されたイメージにより、折り目を正したような表現のホールも多い。それはそれでライトユーザーや不参加層を狙うには最適なニュアンスだ。しかしヘビーユーサーには物足りなさを与えるかもしれない。広告に攻勢の強い印象を与えたいなら、存分に魅惑の果実が香る表現で描かれてもよいだろう。(高)筆者プロフィール(高)。十数年業界で広告デザイン・ディレクションに携わる。元某業界誌出身。遊技機以外の周辺機器や新製品などのプロダクツはその広告を見ただけで売れるか、売れないか的中させる自信があると豪語するが…vs-mail@vsearch.co.jp掲載内容の無断転載、転用禁止。内容は日本の著作権法及び国際条約によって保護を受けています。Copyright(C)2014 Vision Search Inc. All Rights Reserved.