ブックタイトル20130531-0527デジタル保存版

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概要

20130531-0527デジタル保存版

遊技情報を暗号化する「ECOユニット」次に、全日遊連が懸念を示す材料として象徴的に言及された「ECOユニット」について。「ECOユニット」は、「ECO遊技機」内の払出制御基板と、そこから連絡するインターフェースを用いて「ECO遊技機」と接続される。そして遊技球に係わるデータはすべて「ECOユニット」において暗号化されることになる。つまり、これまで遊技機の情報端子板から出力していたデータが「ECOユニット」を介してセキュリティ強化された信号として外部機器、つまり「管理コンピュータ」へと出力されることになる。遊技情報を暗号化しコントロールするのが、「ECOユニット」であると言えるだろう。遊技情報をメーカー側がコントロールし一元管理することこそ、ホール側が懸念している事態なのかもしれない。加えて日工組は、追加される基板類が増えることから、現行のCRユニットに比べ「ECOユニット」が高額になるとすでに示唆している。このイニシャルコストの増加も、ホール側の懸念材料となっている。ECOユニットレポート~日工組とホール団体とのやり取りからECO遊技機出典:日工組が用意したホール団体への説明資料より不正を監視する「遊技機管理センタ」と「鍵管理センタ」つづいて、「ECOシステム」においてホールの外部環境へと新たに設置されることになる「遊技機管理センタ」と「鍵管理センタ」について。まず「遊技機管理センタ」は、日工組メーカーの出荷情報と、ホールにおける設置情報を管理し、「ECO遊技機」の出荷、設置、移動、廃棄を監視する。次に「鍵管理センタ」は、ホールからの「ECO遊技機」の情報を受信し、ゴトを含む不正なドアの開閉が行われないよう、「ECOユニット」により暗号化された「鍵」情報の認証確認を行う。ただ、各ホールの管理コンピュータと「鍵管理センタ」との情報のやり取りにはカード会社情報管理センタが介在しており、ここにはカード会社と遊技機メーカーの一体性を見て取ることができる。この「遊技機管理センタ」と「鍵管理センタ」、そしてそれらに情報を暗号化して発信する「ECOユニット」が、「ECOシステム」のセキュリティを担保する。ここに、ホールがイニシアティブを握る余地は残されていない。本年1月の段階で日工組が示したスケジュールは、「2013年中に遊技機本体、ユニット及びシステム全体を形にして、2014年中には、市場投入できるものを形にしたいと考えている」という漠然としたものだった。ただ、「ECO遊技機」を市場投入するためには、現行の風営法下の遊技機規則では実現できない部分があり、法改正が必須条件となっている。ホール側から挙がっている不満や疑問には、次のようなものがある。「情報が不足しすぎている。これでは賛成も反対もできない」、「不正対策を目的とするなら、ぱちんこだけでは片手落ちではないか」、「ユーザーメリットがわからない」、「これまでのゴトの手口は防止できそうだが、新しい手口を想定した対策は行っているのか」。これらに真摯に回答することなくしては、ホール側からの同意を得られないことは明らか。そのため、ホールからの不満、疑問に日工組がきちんと回答を示すことができるまで、両者間の協議はつづいていくだろう。またそもそも、「ECO遊技機」実現の前提となるはずの日工組メーカーの意思の統一すらも、実はかれていないのではないかという懸念がある。ホール団体の関係者が日工組との協議のなかで感じたとして、総会においてそのような危機感を報告しているのだ。もしそれが本当であれば、ホール団体との交渉以前に、日工組内で足並みを揃えるべきではないのか。誰のための「ECO遊技機」構想なのか。まずそこが問われなくてはならない。そしてそれは、メーカーのためだけでも、ホールのためだけでもないはずだ。掲載内容の無断転載、転用禁止。内容は日本の著作権法及び国際条約によって保護を受けています。Copyright(C)2013 Vision Search Inc. All Rights Reserved.