ブックタイトル20130111-0107デジタル保存版

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20130111-0107デジタル保存版

掲載内容の無断転載、転用禁止。内容は日本の著作権法及び国際条約によって保護を受けています。Copyright(C)2013 Vision Search Inc. All Rights Reserved.No.00361小事が基礎を作り、大事を生む▼景気の悪いときに営業成績の良い営業マンは、小さな受注をコツコツ積み上げることができる。大きな受注は狙わない。地道な人にスポットが当たるのが不況期、と営業力で定評のある大手企業の営業統括の知人が話す。景気の良いときにも売れるが、景気の悪いときにもそれなりに売れるのが営業力、と▼最近は何台売れるか全く読めない、と遊技機メーカーの役員。販売計画が立てられないから製造台数も決められない。「以前はこのくらい売れるだろうという票読みが出来た。今はその基礎票がない。基礎票が読めないから積み上げもできない。なんでもそうだが、基礎のない仕事でうまくいくはずがない」と。遊技台が売れなくなった理由はたくさんあるが、気がついたら会社の基礎となるお客がいなくなっていたというのは営業に責がある。話題の版権モノで営業成績を作っていただけで、基礎票を積み上げていたのではなかった。「イベントばかりやって集客するホールと同じだった」▼「2008年から2009年に景気が大きく落ち込んだとき、1%フォー・ザ・プラネット加盟企業のトップ5社は、いずれも史上最高の売上を記録した。景気が悪くなると、皆、取引先を絞るし、財布のひもを締めなければならない場合、尊敬、信頼する会社から買おうとするからだ」(『レスポンシブル・カンパニー』イヴォン・シュイナード他著)。1%フォー・ザ・プラネットとは、売上げの1%以上を環境保護活動に拠出すると約束した企業の連合体で現在40カ国以上1500社近く。景気が悪くなると誰もが財布を絞る。絞りに絞った財布の中身がどこに向かうか。ここでも、信頼を得るという地道な営業活動が不況期だからこそスポットを浴びる▼ただ、基礎の上に築かれる新しい展開は、同じことの繰り返しからは生まれない。「馬車を10台つないでも機関車にはならない、機関車を10台つないでも飛行機にはならない、そこには非連続な飛躍があり、そのダイナミズムが経済を成長させる」と言った経済学者シュンペーター。不断の革新、イノベーションこそ企業家の真骨頂だと▼いたずらに馬車を10台つなげるような遊技台を作るのをやめ、減り続けるお客をつなぎとめるためだけに低貸化に邁進するのをやめ、小事にこだわり、同時に大事を見据える起業家精神にこそ、新しい展開が生まれる可能性がある。せめて、まだ基礎票があるうちに次の手を打ちたい(桜vs-mail@vsearch.co.jp)●パチスロメーカー“覆面”座談会●エリアレポート/福島県南相馬市