ブックタイトル20130111-0107デジタル保存版

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概要

20130111-0107デジタル保存版

 調査対象とした9店舗中、全体稼働率がもっとも高かったのは、石巻市街地でも海岸線からすこし離れた北東部に立地する『21SEIKI石巻中里』であった。石巻では2011年後半、新規出店と営業再開が相次いでいたのだが、12月18日の同店を最後に、大きなオープンは行われていない。全体稼働率と客数では、『21SEIKI』に次いで新しい『パラディソ石巻元倉店』がつづく。 2012年夏、宮城県内でも一物一価が徹底され、それにともない石巻でも、『アムズガーデン石巻店』や『パチンコまるたま石巻店』といった、低貸玉営業を主体とする店舗では、2.5円パチンコや12.5円パチスロの導入などといったレートの変更が行われた。 『21SEIKI』を頂点とする好調な店舗と、集客できているのは1円パチンコなどの低貸玉だけという低調な店舗の“二極化”が進行していた。▼“被災地”であるという非日常の日常化 震災発生から約2年が経とうとしている。復興が遅々としてすすまない被災地では、非日常であったはずの“被災地”であることが日常化しつつある。 被災地ではまず、特例で給付期間が延長されていた失業手当てが打ち切られた。そして震災の“風化”とともに、届く寄付金や見舞金が減少した。また、前回調査ですでに兆候が見られていたように、2011年後半の相次ぐオープンによって、市場における遊技機は供給過剰の状態に陥った。 冒頭で紹介した被災地のホール営業擁護論でも展開されていた論旨だが、パチンコには、息抜きや余暇、レジャーだけでなく、現実から一時的に逃避できる精神的なシェルターとしての機能がある。“被災地”であることが日常化し、その現実から逃げ切れなくなったとき、被災地の稼働は落ち着きを見せるのではないだろうか。(平)掲載内容の無断転載、転用禁止。内容は日本の著作権法及び国際条約によって保護を受けています。Copyright(C)2013 Vision Search Inc. All Rights Reserved.