ブックタイトル20130111-0107デジタル保存版

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概要

20130111-0107デジタル保存版

▼陸前高田 ~中心市街地すべてが壊滅、更地となる 東日本大震災発生直後の数カ月間、津波被害を受けた地域はどこも、ガレキに埋もれていた。まず道があけられ、ガレキが小山状にまとめられて順番に撤去され、更地になり、商業施設が仮設のコンテナから営業を再開した。 陸前高田では、行政施設と商業施設の集積した中心市街地が港湾部のすぐそばにあったため、そのすべてが津波で壊滅し、さらわれてしまった。震災後の2011年4月に本紙会員ホールの消息を尋ねて訪れたときには、駅やホールの骨格のようなものがかろうじて残っており、それをなぞって歩いた。今回、2012年11月24日に再訪すると、市街のすべてが更地にされており、駅もホールも、跡形もなくなっていた。「奇跡の一本松」もモニュメントとするため、9月中にすでに切り倒され解体されて、神奈川や愛知の加工会社に持ち去られていた。旧中心市街地で営業している店舗は、建て看板ひとつの仮設ガソリンスタンドが1軒あるだけだ。 陸前高田市内に本社を置いていた村上商事は現在、パチンコホール4店舗とカラオケ店58店舗を、東北地方のほぼ全域と新潟県などに展開しているものの、『招福亭ジャイアンツ陸前高田店』を津波で流失、本社機能を北上市に移している。同社は北上駅前の「ホテルニューヴェール北上」本館部分を落札し、東北最大規模の飲食店ビルに改装した。沿岸部で被災した飲食店経営者を優先的に誘致し「北上駅前クレヨンタワー」として昨年8月にオープンさせ、話題となった。▼大船渡 ~上流の店舗が津波被害をまぬがれる 陸前高田市に隣接する大船渡市も津波による大きな被害を受けたが、市街地が盛川に沿って山がちな地形にひらけていたため、市役所のある盛駅前などは津波の直撃をまぬがれた。それでも港湾部のある大船渡駅前の市街地に近かった『ニュー・カモメ』は全壊してしまっており、今回の再訪時にはロードサイドの看板のみが残り、あとは更地となっていた。 『フェニックス』は盛駅前に、『セントラル大船渡店』と『ダイナムゆったり館大船渡店』は盛川のさらに上流域に立地していたため、津波被害をまぬがれた。『招福亭ジャイアンツ大船渡店』は海を見下ろす高台に移転し営業を再開した。※※※ 新年号7日付より、福島県南相馬市、宮城県石巻市、岩手県陸前高田市・大船渡市と駆け足で被災した3つのエリアをみてきた。 一昨年の送り火で一部の京都市民が見せた恥ずかしい振る舞いは、反面教師として胸に刻まれている。一業界人として、一市民として、被災地のためにできることは何か。今年も折に触れ自問したい。(平)※震災直後の風景掲載内容の無断転載、転用禁止。内容は日本の著作権法及び国際条約によって保護を受けています。Copyright(C)2013 Vision Search Inc. All Rights Reserved.