ブックタイトル20121130-1126デジタル保存版

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概要

20121130-1126デジタル保存版

パチンコメーカー座談会2覆面in名古屋本稿は、名古屋のパチンコメーカー3社から開発と営業の担当者に参加していただき、匿名を条件に可能な限り本音で語っていただいた“覆面”座談会の記録の2回目である。昨日付に掲載した1回目では、「ぱちんこAKB48」をテーマに編集し掲載した。2回目となる本稿では、「「海物語」シリーズと等価交換」というテーマでまとめた。「海物語」シリーズがパチンコの主力機種でなくなる日が来るのでしょうか。一物一価、そしてその結果である等価交換が主流となって、パチンコのおもしろさが変わってきました。等価交換で「海物語」を使うと、液晶画面が止まってしまうのです。だから「回らない」と余計に感じてしまう。今年ヒットした「牙狼魔戒閃騎鋼」や「ウルトラマンタロウ」では、スタートが5.2回転から5.4回転でも耐えられるように、変動秒数を長く設定しています。これがヒットの理由です。スタート5回転でも耐えられる機械も出てきています。そういった機械では、回らない前提で作られているので、逆に回ってしまうと、演出をじっくり見れなくて、実はつまらない。等価で「海」は厳しいですね。でもメーカーからは「等価交換をやめて42個に戻して」なんて言えない。保留玉の先読み機能を搭載した機械を作りましたが、ホールでは保留が付かないから、まったく機能していません。ファンは1円パチンコに流れて行ってるのでしょうか。いまのパチンコが回らないと言うのであれば、4円より1円のほうがよっぽど回りません。1円が選ばれるのは、負けるのなら被害の少ない方が…という理由でしかありません。いまのホールに、勝ちに行くファンはいません。ギャンブラーは本来、負けるとわかっているギャンブルはやらないはずなんです。勝てると思うから打ちに行く。パチスロ人気を支えたのはまさにその論理で、設定が入れば出玉率が100を超えているから打ちに行く。負けるとわかっているパチンコは、ギャンブルのカテゴリーからすでに逸脱しています。「天上のランプマスター」や「ヴァン・ヘルシング」といった機械が、パチスロのように出玉率100を超える可能性を拓きましたが、業界団体が必死になって潰しました。業界団体が潰しにかかった理由もわかっています。「バリ南国」や「ファフナー」がそうだったのですが、ちょっと出すぎただけで、訴訟騒ぎを起こすホールがあるからなんです。でもパチスロに較べてパチンコはアナログ的な要素が大きいから、ホールの使い方でなんとでもなったはずでしょう。パチンコからもアナログ的な要素は消されていって、デジタル的な確率に収束するように押し込まれつつあります。だからいまはパチンコもパチスロも、「事故」に遭わないと勝てなくなっている。「事故」(=プレミアム)待ちです。宝くじを買う感覚と同じであり、等価時代はパチンコの宝くじ化の時代と言えます。いまの1円パチンコには、「海物語コーナー」というのがありますよね。「デラックス海」、「大海2」と分かれているのではなく、「海物語」でひとまとめにされている「海物語」のバラエティーコーナーです。「大海2」が好きだから打つんじゃないんです。「海」だったら何でもいい。もしかしたら、このコーナーで打つ人は「海」でなくてもいいのかもしれない。台粗が低いから選んでもらえたという「海」の存在理由が消えかかっています。「海」がパチンコのスタンダードではなくなってきている。この流れを作ったのは、等価交換でも耐え得る仕様をリードした京楽機です。そういった意味でも、「AKB」はパチンコを変えてしまった。「辛い」ということが、ホールの機械選びの基準となっています。甘いと使ってもらえない。「海物語」についても言えるのですが、ホールはメーカーが出しすぎるから買わざるを得ない、機械代がかかるから締めざるを得ない、ファン離れはメーカーのせいだと非難します。でもいまのホールは新台入替しか客を呼び込む手段を持っていないのでしょう?商店街が主張する理論と同じです。「ウチは被害者だ」と。でもイオンは努力していますよ。マルハンやダイナムも努力して大きくなったのでしょう。対談を通して、売れる機械、売れない機械を分かつ基準が、ホールとの関係も含め、すでに変わっていることが明らかになりました。長時間にわたり有意義な問題提起を多く含んだ活発な議論を、ありがとうございました。掲載内容の無断転載、転用禁止。内容は日本の著作権法及び国際条約によって保護を受けています。Copyright(C)2011けています。Copyright(C)2012 Vision Search Inc. All Rights Reserved.