ブックタイトル20120615-0611デジタル保存版

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20120615-0611デジタル保存版

A R E A R E P O R T 2012年06月14日(木曜日)5/11『ビックつばめ矢野目店』『パチンコ三ツ星笹谷店』『サンシャイン福島店』『ニラク福島瀬上店』エリアトピック▼福島の「復興元年」が始まるその週末はまさに、福井・大飯原発の再稼働を野田首相が決断しようとするタイミングだった。ホテルの窓からは、原発再稼働反対を訴え県庁前を進むデモ行進が見えた。数十人のみ、時間も数十分と、あっけなく終わってしまった。だがこの出来事が、福島市が広大な福島県における政治の中心であることを実感させた。同市ではこの日に、避難地域の行政機能や住民を移転する「仮の町」を国が材線支援することが決定している。※※※福島県は2012年度を、「復興元年」とし、過去最高となる1兆5764億円の県予算を用意した。うち、除染や農産物のモニタリング強化といった環境回復に2812億円、被災した中小企業の復興支援に1144億円を充てている。限られた予算のなかでは、復興に重点を置いた、思い切った予算配分となっている。県はまた、太陽光、風力、地熱、水力、バイオマスといった再生可能エネルギーの推進を掲げた。原子力に依存せず、再生可能エネルギーによる復興のモデルとなることを目指すという「福島県再生可能エネルギー推進ビジョン」を策定し、政策の転換を県内外に宣言した。2040年頃には、県内エネルギー需要の100パーセント以上に相当する量のエネルギーを再生可能エネルギーで生み出すことが目指されている。県庁には、「ふくしまからはじめよう。」という、県の新しいスローガンが掲げられていた。このスローガンのもとで、再生可能エネルギーの研究と関連産業の“拠点化”を目指す。先に報じられたように、不動産事業を行う森トラストはすでに、放射能の影響により閉鎖した白河市のゴルフ場にメガソーラー施設を建設することを発表しており、同県の施策を積極的に後押ししようとする民間企業も出てきている。福島県は大きな県である。津波と原発の被害をもっとも激しく受け、それまで住んでいた場所からの避難や移転を余儀なくされた住民の多い浜通り、被害が比較的軽微で、来年の大河ドラマ「八重の桜」の舞台となることが決まって沸いている会津、そして県政の場である福島市や、経済の中心であり交通の要衝でもある郡山市といった大きな都市が南北に連なる中通りと、県を構成する3つの地方で分けてみても、様相はまったく異なる。県予算の決定と「再生可能エネルギー推進ビジョン」策定によって、県をひとつにまとめあげたうえで進められる復興事業が、ようやく端緒に付いたようである。福島県庁入口正面に掲げてある垂れ幕福島県庁掲載内容の無断転載、転用禁止。内容は日本の著作権法及び国際条約によって保護を受けています。Copyright(C)2012 Vision Search Inc. All Rights Reserved.