ブックタイトル20120615-0611デジタル保存版

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20120615-0611デジタル保存版

STOCK ANALYSIS2012年06月15日(金曜日)10/12●2012年5月期歴史的IPO「フェイスブック」上場も波及効果薄く本稿では、株価動向全般について概観した後、パチンコ業界関連株から編集部が任意に選んだ銘柄の株価動向についてまとめる。今回の調査対象期間は5月1日から5月31日までである。※※※ギリシャ破綻という懸念材料はあったものの、本年に入ってからの株価は、4月に一時1万円を超えるという右肩上がりの推移を示していた。しかし、円高、ダウの続落、ギリシャ問題に端を発するユーロへの懸念と、さまざまな要因が重なって、日経平均は4月前半に暴落した。5月に入っても回復する兆しは見られず、14日には9000円を下回ると、投資家達の投げ売りが目だち始め、歯止めが利かなくなった。※※※5月18日にはナスダックに「フェイスブック」が新規上場した。上場前には、米アマゾン・コムに匹敵する1000億ドルを超える時価総額という、IT関連株では異例ともいえる規模の大きさとなることから、歴史的なIPOと世間から注目を浴びていた。しかし、上場を3日後に控えた同月15日に米自動車大手のゼネラル・モーターズ(GM)がフェイスブックへの広告出稿を止めると表明。そのためにフェイスブックの広告は消費者に対する影響力が低いと判断され、上場を前に不穏な空気が流れた。上場後は初値こそ11%上昇したものの、その後はジリジリと値を下げ、月末には29ドル(売出価格38ドル)を割るまでに落ち込んだ。また5月上旬、グリーやDeNA(モバゲー)の収益の柱となっていた「ガチャ」への規制が株価に大きな影響を与えた。ニュースの流れた当日には、「グリー」や「DeNA」といった銘柄は、ストップ安となり、両社の時価総額はその1日だけで2000億円も減少した。数カ月前までは、「フェイスブック」の歴史的上場により莫大な資金が市場に流入することによって商いは活発化すると予想されていたのだが、予想は裏切られることとなった。ソーシャルゲーム業界も含め、SNS関連は散々な月期であったと言える。一方で為替は、日銀が追加の金融緩和を見送り、また対主要通貨で円高がさらに進行しており、このことも投資家心理を冷え込ませるのに十分だった。結局5月は、8542円73銭で取引を終えている。日経平均は方向を見失っている印象を受ける。国際情勢に目を移したい。まず、数年後には経済大国に成長すると言われるインド経済に急ブレーキがかかった。インド政府が31日に発表した1~3月期の実質国内総生産(GDP)は、前年同期比で5.3%増にとどまり、伸び率は四半期連続で縮小、リーマン・ショック後の世界同時不況時の水準を割り込んだ。欧州危機の再燃によって新興国の景気減速の傾向が顕在化している。国外投資家の撤退が主要因であると推測できる。明るい材料としては、6月1日より東京・上海の両市場において、人民元と円を直接取引する銀行間取引が開始されたことがある。これにより取引コストの低減と、それによる東京市場の活性化が見込まれ、またドル相場(および米国経済)の影響も受けにくくなるのではと期待されている。経済大国となった中国市場は、これから一層の注目を集めることになりそうだ。※※※パチンコ関連株では、5月31日にセガサミーが1000万株を上限とする自己株式の取得を発表した。これは、資本効率の向上を図るとともに、機動的な資本政策に備えるためのもの。期間は6月7日から9月28日まで。個人投資家にとっては明るいニュースとなった。ダイコク電機の2012年3月期決算発表では、前期の赤字決算から一転、16億円超の純利益を計上した。「BiGMO」の販売増が売上に大きくに貢献したようである。(垣)掲載内容の無断転載、転用禁止。内容は日本の著作権法及び国際条約によって保護を受けています。Copyright(C)2012 Vision Search Inc. All Rights Reserved.