ブックタイトル20120601-0528デジタル保存版

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20120601-0528デジタル保存版

A R E A R E P O R T 2012年06月01日(金曜日)2/9●エリアレポートR EPORT京都市内の、中京区や上京区、北区の住民が「京都」と言ったとき、それは“洛内”に限定して使用することはよくあることである。“洛内”とは、東は東山、西は桂川、北は北山、南は京都駅、JR線や新幹線あたりまでを指す。「盆地のなか」という言い方も使う。東京の下町では「3世代を経ないと“江戸っ子”とは呼ばせない」と言われていたそうだが、盆地のなかで「京都出身」と胸を張って言うためには、家系を室町時代あたりにまで遡れなければ許してもらえそうにない。江戸時代に移り住んだようでは、まだ新参者扱いされてしまう。第二次世界大戦で▼京都市北野~二条主要店舗の稼働状況大型店の『スーパードーム』や『デビュー』が一定の稼働率を維持京都・北野~二条空襲に遭わなかったこともあり、「先の大戦」と言えば応仁の乱を指すようなひとたちである。※※※盆地のなかでは、パチンコホールの選択にあたって近所の店舗が選ばれる傾向があるようだ。京都盆地への、京都の外からのホールチェーンの進出は、ほぼ皆無と言ってよい。徒歩圏や自転車圏からの来客が中心となっており、設置台数200台から300台程度の小型店舗がほとんどだ。本稿では、『スーパードーム千本中立売店』と『デビューWEST&EAST』という、洛内では珍しい大型店舗の立地する、北野から二条にかけてのエリアを採り上げる。編集部では5月28日月曜日午後に稼働調査を実施した。【スーパードーム千本中立売店】パチンコ業界に限って言えば、店舗の動きが比較的緩慢な京都にあって、2010年9月のオープンと、最近オープンした店舗である。リニューアルと言えば低貸コーナーの新設や増設がメインで、オープン以来ずっと改築が行われていないように見える店舗の多い京都にあって、真新しい内外装の同店は、非常に居心地よく感じられる。店舗稼働率は、調査店舗中第2位と、設置台数672台の大型店でありながらも優秀だ。特に千本通りに面した間口は狭くなっているが、そのブロックの多くを占有しているため、敷地面積は広い。また、裏通りの路地に面した外観は、町屋のデザインを部分的に採り入れたマンション風の京都ではよく見かけるものとなっており、景観への配慮が伝わってくる。1円パチンコのバラエティコーナーに、機種名やスペックの説明が一切ない点が不親切に感じたほかには、スタッフの対応を含め文句のつけようがなく、京都でなければ、さらに稼働率が高くてもおかしくはないと感じた。【デビューWEST&EAST】この店舗の立地する二条には、四条通りの以北では最大級の大型商業施設「BiVi二条」があり、シネマコンプレックスも入居している。旧国鉄の操車場跡で再開発が進み、「BiVi」は2005年に開業した。再開発の際、周辺の道路も整理されており、車でのアクセスの利便性が増している。『デビュー』でも2階以上を駐車場としており、郊外型店舗としての要件を備える。前述の『スーパードーム』でも、景観条例の高さ制限をクリアするためホール階を半地下とし、2階以上を駐車場としている。この2店舗では、自動車を利用するパチンコファンを集めることに成功しているようである。※※※調査時の店舗稼働がもっとも高かった『ニューパラダイス白梅町店』は、織物で栄えた西陣・北野に立地する店舗である。京福電鉄(嵐電)北野線のターミナルとなる北野白梅町駅の駅前にあり、競合店からはすこし距離があるという恵まれた立地条件により、非常に高い稼働率を実現していた。※※※京都に越して来た当初、町の小売り店を利用するひとが多いことに、まず驚いた。町内会の同じ役にあたった近所の靴屋には、なぜか、と言っては失礼だが、いつも客がいて、店主が客の足のサイズを計っている風景によく遭遇した。京都の変化のスピードは、非常にゆっくりとしたものである。だがそれでも、大型店の『スーパードーム』や『デビュー』が一定の稼働率を維持していることからも明らかなように、町内を出ることを選ぶ京都人も増えている。(平)掲載内容の無断転載、転用禁止。内容は日本の著作権法及び国際条約によって保護を受けています。Copyright(C)2012 Vision Search Inc. All Rights Reserved.